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2010.4.11 バイリンガル礼拝説教 マルコの福音書2章13-17節 主イエスに出会って人生をリセットした人 「取税人マタイ」

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2010.4.11 バイリンガル礼拝説教     マルコの福音書2章13-17節

主イエスに出会って人生をリセットした人

「取税人マタイ」

序)主イエス・キリスト様に出会って人生をリセットした人を紹介しましょう。

その人は、マタイといいます。彼はローマ帝国のために税金を集める人から、12弟子の一人になり、ついにはマタイの福音書を書いた人になったのです。

 

Ⅰ 取税人レビの召命

主イエス様はガリラヤ湖畔で、弟子を集めておられました。そして今は取税人レビを加えようとされました。レビはアルパヨの子といわれています。あとになってマタイ「主の賜物」というあだ名を主からつけられて励まされたのです。

レビという名前の示すように、本来はレビ族として神殿のご用を専門にする部族だったのです。その彼が、イスラエルの国を支配していたローマ皇帝のために仕える仕事でした。当時のイスラエルの人々は、自分たち民族と血統に強い誇りを持っていました。ローマの手先のような仕事については売国奴として排斥し、罪人を同列にならべて非難していました。

ガリラヤ湖の畔の町カペナウムに取税所があり、漁師や、旅人、貿易商売人の貨物に税金をかけていました。今でいう税関の仕事です。この町は交通の要所にあり、遠くはエジプトや地中海地方から、北の方からはダマスコなどから貿易商品がたくさん通過したのです。取税のためには豊富な商品知識とギリシャ語、アラム語等のことばに通じており、お金の換算計算もできなければなりませんでした。いわば知識人、教養ある人でなければなりませんでした。レビが仕事に熱心であればあるほど多くの人々が苦しみました。

 

財産はどんどん増えてゆきますが、彼の心の中にはまことの満足はありませんでした。幸福をもたらさなかったのです。自分の仕事に浮かぬ顔で取り組んでいるなら、レビと同じ境遇ですね。主イエスは通りかかって、うかぬ顔のレビを見抜きました。そして「私について来なさい。」と言われました。主イエスは、イスラエル社会からはじかれ、きらわれ、のけものにされ、パリサイ人たちからは罪人あつかいをうけていた彼を弟子に加えようとされ、招かれたのです。主のお心の広さを知ります。彼の内に主の賜物を見抜かれた智恵をみます。レビは主の「わたしに従ってきなさい。」という召しに、直ちに答えました。人生のリセットを主イエスに出会ってしたのでした。レビはかねてからガリラヤを中心にカペナウムでも活躍しておられるイエスの噂を聴いていました。レビは、のちになって彼が書いたマタイ福音書からわかるように旧約聖書に精通していました。引用聖句が断然多いのです。このことは幼い頃からの彼の両親の教育を思わせます。世が世なら神殿で奉仕する立場であるという使命と誇りが、子供教育にも影響していたと考えられます。

 

それが今、主イエスの教えを理解し、信仰の成長のために非常に助けになったのです。彼は自分から話しかけるタイプの人ではなく、無口で静かで控えめな人だったのです。このような性格だったのに、イエスの招きとそれに答える信仰をあらわすときは、見事に即断したのです。きっと、それまで充分に、いろいろと思いめぐらしていたと考えられます。決意はすばらしく、即、実行に移したのです。一切を捨てて主に従いました。彼は主イエスとの交わりの中で、永遠の友を得ました。彼が捨てた物よりも遙かにまさった永遠の命の恵みを得たのです。

 

彼は従い始めてから一度も後戻りしませんでした。全時間主の働きに召される弟子の多くは、レビのように職業を変える事が多いのです。でも捨てた事柄よりも得たことの方がはるかに多いと経験的に思います。自分の現在の生き方があまりにも不満足で、生き甲斐がないと思うような状況で、キリストに出会った時からの生活が「主にあって」という事で一本筋が通って生き生きしてくることがわかります。

結び)マタイは自分の名前を「取税人マタイ」と福音書の使徒名簿に載せました。彼は以前の、自分を恥としません。自分が救われるまえ、世間のつまはじきに会っていたことを率直に認めます。しかし、リセットしてからの自分が、今は「主の賜物」であることも感謝の内に告白しています。主の恵みにより、今、あり得ている。主イエスは、今日も、あなたに目を留めて、私に従ってきなさい。といわれるのです。人生を再出発することができるのです。私は何も誇るところがない罪人です。あなたのお招きを感謝します。お救い下さい。このように応じるあなたを、神の賜物と呼んでくださる幸いを思い、残りの人生を救い主にしたがいましょう。

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