2019年5月26日 投稿者: 廣橋 嘉信牧師 カテゴリ:説教 2019年5月26日 創立18周年記念礼拝 「この山地をください」ヨシュア記14章6—12節 序文)海浜幕張めぐみ教会は創立18周年記念を迎えました。おめでとうございます。 主からの導きと約束のみことば、イザヤ43:19-21「見よ。わたしは新しい事をする。今、もうそれが起ころうとしている。あなたがたは、それを知らないのか。確かに、わたしは荒野に道を、荒地に川を設ける。野の獣、ジャッカルや、だちょうも、わたしをあがめる。わたしが荒野に水をわき出させ、荒地に川を流し、わたしの民、わたしの選んだ者に飲ませるからだ。わたしのために造ったこの民は、私の栄誉を宣べ伝えよう。」を土台に据えて、開拓準備伝道を1999年7月14日の祈祷会をもって開始しました。さまざまな関係作り伝道を行い、2001年5月27日伝道所設立式(会員5名)を挙行しました。以来、家の教会はミラリオ4階、1階、パテイオス20番街105と3回場所を移動して現在に至り、会員名簿上は現住陪餐会員57名と小児会員8名(遠隔地、長期欠席者を除く)に成長してきました。 この機会に、旧約聖書の「カレブの信仰」をタイムラインの変化に合わせて読み取り、その全うした人生に焦点を合わせて教えられましょう。その上で、私たちのさらなるビジョン達成を祈り求めましょう。 Ⅰ 「カレブの信仰」のタイムライン カレブの信仰生涯の基礎形成 14章6−8節 40歳の時「信仰溢れ、勇気を示した」 ケナズ人エフンネの子カレブが、カデシュ・バルネアで、カナンへの偵察隊に選ばれたのは40 歳の時でした。「主はモーセに告げられた。人々を遣わして、わたしがイスラエルの子らに与えようとしているカナンの地を偵察させよ。父祖の部族ごとに一人ずつ、族長を遣わさなければならない」(民数記13:1-2)。「ユダ部族からはエフンネの子カレブ」(民数記13:6)が選ばれて遣わされました。40日後、12人の偵察隊はモーセのもとに帰ってきて、カナンの地はどうだったかを、モーセに報告しました。そこは「豊かな乳と蜜の流れる地」で、その産物を、証拠として「ぶどう一房を二人で棒に担ぎ、他にザクロやイチジクの実も持って帰ってきた」(民数記13:23)。「ただ」しかし「その地に住む民は力が強く、その町々は城壁があって非常に大きく、そのうえ、そこでアナクの子孫を見ました」(民数記13:28)。ヌンの子ホセア(モーセがヨシュアと名づけた)とカレブ以外の10人は皆怖じ気づき、「あの民のところには攻め上れない。あの民は私たちよりより強い。・・自分たちはバッタのように見えた」(民数記13:31、33) 。 そんな時、積極的に発言したのが、カレブでした。「私たちはぜひとも上っていって、そこを占領しましょう。必ず打ち勝つことができます」(民数13:30)。人々が泣きわめき、エジプトに帰ろうといった時に、ヨシュアもカレブも言います。「私たちが巡り歩いて偵察した地は、すばらしく、良い地だった。もし主が私たちを喜んでおられるなら、私たちをあの地に導き入れ、それを私たちに下さる。その地は乳と蜜が流れる地だ。「ただ」、主に背いてはならない」(民数14:7-9)。 人々が「ただ」と現実を見て不信仰と弱虫の心を示した時、カレブたちは「ただ」と約束の神様を見上げて、信仰と勇気を示した。私たちの信仰生活の初期、基礎作りのために、現実の困難さに直面した時、神を忘れてしまい自分の知恵や力でどうにかしなければと思うか、カレブのような、神を仰いで、信仰と勇気を持って決断できるかを、主は試される。 Ⅱ 初期の働きと中期の働き14章9—10節 それから45年間「忍耐と従順の日々」 神にある品性(純潔・誠実・服従・正直)を身につける。信仰の成熟、深い御旨に入れられる経験、賜物の成熟、宣教の理念が明確に、優先順位決定。45年間 「しかし全会衆は、二人を石で打ち殺そうと言い出した」(民数14:10)。その時「すると、主の栄光が会見の天幕全てのイスラエルの子らに現れた」(民数14:11)。「わたしは彼らを疫病で打ち、ゆずりの地を剥奪する。しかし、わたしはあなたを彼らよりも強く大いなる国民にする。」幾度も神に反逆するイスラエルの民を、モーセの必死のとりなしゆえに、神様は赦されました。神様への不信仰の罪の報いとして、10 名の偵察者たちは疫病によって死にました。そして不平ばかりを言ったイスラエルの民はなんとその後40 年もの長い間、彼らが死に絶えるまで、荒野の道をたどる事になりました。「ただし、わたしのしもべカレブは、ほかの者とは違った霊を持ち、わたしに従い通したので、わたしは彼が行って来た地に彼を導き入れる。彼の子孫はその地を所有する」(民数14:24)。 カレブは神様の祝福の約束が成就するまで、あと45年間イスラエルの民と運命を共にしました。彼は共同体と共に生き、彼らのために祈り、働き、その内側から彼らを支え導き続けたのです。カレブは、まさに共同体の力となって仕え続けたのです。 その間に、カレブは、神にある品性(純潔・誠実・服従・正直)を身につけ、信仰の成熟、深い御旨に入れられる経験、賜物の成熟、宣教の理念が明確に、優先順位決定する人生を、黙々と表に出ないで歩み続けました。 私たちの信仰人生タイムラインで、初期から中期に至る歩みは、「主に従い通させるため」の「忍耐と従順」の歩みを、黙々と務めさせられるのです。一人一人は、主がかしらである教会という神様が与えてくださったこの共同体を、カレブのように、教会の内側から愛によって支え、仕え、導きながらより良くして行くために黙々と力を注いでいきましょう。外部の人間のように、自分の判断で神と教会のあれこれをただ批判しているだけでは、この重要なタイムラインで見つけるはずのキリストの品性を身に着けることはありません。これは、私たち一人一人が問われていると思います。 Ⅲ 全うの段階(召天まで) 14章11—12節 85歳 焦点の合った働きを前に 「山地をください」平地ではない。 円熟期、神はその人の究極的目的を教えられる、最大限の貢献、焦点の定まった働きに入る。価値ある人生だったと神の視点から見ることを願う。 カレブを理解する鍵のみことばは、「主に従い通しました。」です。この45 年を経て、いよいよ約束の地カナンを分配する時、つまりあの神様の約束の成就する時になって、ユダ族のカレブはヨシュアに言った。「主がカデシュ・バルネアで、私とあなたについて神の人モーセに話されたことを、あなたはよくご存知のはずです。・・・今日、私は85歳です。モーセが遣わした日と同様に、今も私は壮健です。私の今の力はあの時と変わらず、戦争にも日常の出入りにも耐えうるものです。今、主があの日に語られたこの山地を、私に与えてください」(ヨシュア記14:10-11)。カレブは45年間 忍耐と従順の中にも、みことばの約束の日の成就を信じて、心身の鍛錬を怠らず、信仰が萎えてしまわないようにと日々に祈り、主が彼に語られた言葉を反芻しつつ、献身し続け、ついにこの「今日」を迎えたのでした。残されているのは、実際に山地に入って戦いを繰り広げ、その地を占領することでした。それは彼が人生の究極に成し遂げた使命でした。最も困難な地、ヘブロンを彼は勝ち取りました。乳と蜜の流れる平地ではない、アナク人が住む地です。アナク人の子孫がかのゴリアテだと気づくと、巨人の巨人たる所以がわかります。まさにイスラエル人はイナゴ並みに見えるのでした。ヘブロンを攻め落とすことは、平地のイスラエルを守ることに即つながるのでした。 実はヘブロンは、信仰の父アブラハムが、その樫の木の下に天幕を張ったところでした。二人の天使と人の姿をとった神の御子が、アブラハムを訪問して素晴らしい約束を与えた場所でした。イサクとリベカ、ヤコブとレアが葬られた場所でした。彼らは皆、その所に墓を確保して葬られていました。約束の地に自分たちの民族が将来やってきて占領することを待っていた場所だったのです。 結び)私たち海浜幕張めぐみ教会の、さらなるビジョンは「山地をください」ですね。「幕張ベイパーク」!!実行に移すのは2年後の2021年にマークボカネグラ宣教師とその形成されるチームの出現を待ちます。その前に、なすべき備えは、二人目の牧師が備えられ訓練を分かち合うことです。私は、今年80歳になります。予想外に健康を損ねましたが、まだ心臓の力は70%残っており、信仰と連動している脳は認知症になっていませんので、あと5年は主と会員の皆様に仕え続けられるかと祈っております。15歳で信仰を与えられてから、70年間となります。また、また、と皆様を驚かせながら、主は「まだ」「まだ」と生かしてくださっていますので、85歳を迎え、「山地に宣教のみわざが広がっている」ことを見られることを、皆様と共に祈ってまいりましょう。