「神第一に生きる」ハバクク書 1:11 3:19
日本長老教会教師/神学教師 櫻井圀郎師
ハバクク書(聖書直訳)
1:11
むしろ、霊は定めを変え、彼(霊)は過ぎ去る。
彼(人)の力が彼(人)の神である(人)は有罪なり。
3:19
我が主ヤハウェは我が力なり。
彼(主)は、我が歩みを雌鹿のように任じ、高所の上を歩ませる。
序)
・異常気象の通常気象化 終末の前兆か
・凄惨な社会的事件 心ない犯人・加害者の言葉
・主イエスの言葉 「人々の愛が冷える」
Ⅰ 神に逆らう人間の力
・ヘブライ語「ルーアッハ」
創世記1:2 地の上に水、その上に神の「霊」
創世記2:7 地の塵で人間形成し、生命の「息」を
創世記8:1 水没した地上に「風」を吹くと水が引く
・「人間」とは
猿から進化した猿の一種?
猿との決定的な違い = 霊、意思(自由意思)
神の定めに反抗し、神に逆らい、罪を犯す能力
・神の聖定 = 創造 + 摂理 + 予定
創造は、言葉(法)による
創造の法(自然法則)と人間との契約
摂理は、創造後の世界の運行
予定は、人間の救い(信仰)
・人間の罪 = 神の法に背き、神を否定すること
神を否定し、否定した神の座に、自己を据える
「無神論」ではなく、「自己神論」
「自分の力(自己)」を「自分の神(神)」とする
Ⅱ 神の力で歩む高き所
・ヘブライ語「ヤハウェ」
「ハレルヤ」の「ヤ」
「エホバ」とか、「我が主」とかされてきた
「我は『在りて在るもの』なり」
・日本語訳「力」
1章「コーアッハ」 = 能力、権力
3章「ハイル」 = 富、豊かさ
・「雌鹿(メスの鹿)」
旧約聖書の中では、しばしば
「美しい」「敏速」「丈夫」の喩え
脚がきれいで、足がじょうぶだから
・「高所(高いところ)」
文字通りには、丘の上、山の上
神殿、宮殿、貴族・富者の邸宅など
「高い地位」「重要な職務」「尊い働き」
Ⅲ 人間中心か神第一か
・いずれが益か?
Ⓐ 神を否定し、人間の力に依存し、
神の定めに逆らって、自己神論的に歩む者
Ⓑ 専ら神を自分の力の源泉とし、
ひたすら神に頼みながら歩む、神第一の者
・現代社会の常識
自己の力で生きるのが当然
宗教は非合理、神は愚か
・神を否定した社会
善悪・正義の感覚を欠く
愛・慈しみは歪んだもの
・自己神論
金(マネー)が指標
金銭崇拝と化し、金の亡者となる
自己が神でなくなり、金銭偶像に使える奴隷と化する
・「モネータ」
金銭の女神、「マネー」の由来
モネタリズム = 政策金融経済に対する経済主張
羅語「モネーレ」=「警告する」「忠告する」
日本経済新聞「女神の警告」
・二つの生き方
Ⓐ 神を否定し、自分の力(コーアッハ)に依存する者
Ⓑ 神を自分の力(ハイル)とする者
結び)
・現代日本社会の問題
神は、単なる否定だけでなく、著しく貶められている
神は侮辱され、神の本旨である正義を行う人も排除
悪を行う者の悪の露見・批判・排除を回避するため
・世界に欠けていること
正しい学びの欠け = 誤った知識に支配されている
神に敵対して悲惨なことは目に見えている
神第一こそ原点、神第一こそ「人間の第一」